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凄い本10 沢木耕太郎『無名』

 スポーツや旅を描きながらもどこか静謐で、その奥に人間的豊かさを感じさせる著者の原点を知ることのできる作品。父の死に寄り添う作家の過去の記憶や静かな哀しみが胸を打つ。
無名
正直、この本を読む前には、いくら著名な作家の父親だからといって有名でもない他者の話を読む必要があるのかと思っていた。しかしこの本を読んだ後に思うのは、有名でない他者の話だからこそ、この本には読む価値があるのだということだった。

世の中には豊富な知識や優れた才能を持ちながら、活躍の場に恵まれず、一生「無名」で死んでゆく人が決して少なくないだろう。そしてそんな「無名」の人々はまるで春先の雪のように、いずれその思い出さえも、この世から消えてゆく。

この作品に描かれた作家の父親もそのような人物の一人のようである。生計を立てるために働き、家庭内では決して感情的になることは無かった父親との記憶が、看病を続ける作家の思い出として語られてゆく。

世間的に見れば、何も残さず「無名」で生きた父親。しかし、息子である作家や家族にとっては、それは決して「無名」などではなく、掛け替えのない存在として、いつまでも記憶に残り続ける特別な存在なのである。

施設や病院で最後を迎えることがあたりまえになりつつある現代、家族や本人の願いが聞き入れられ、自宅で安らかな最後を迎えた作家の父親。たとえ「無名」であろうと、「有名」であろうと、身近な人々に愛されて死ねるのならば、それ以上望むべきものはないように思う。

ウィキペディア 沢木耕太郎
アマゾン 『無名』 (幻冬舎文庫)
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テーマ : 本の紹介 - ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

阿部和璧

Author:阿部和璧
現代アートを中心とした美術関係について書くライターをやっています。2011年8月より東京に拠点を移し、現在は都内の地域アートプロジェクトのリサーチの仕事などをさせていただいてます。世の中にある凄いもの、面白いものに興味があり、そんなものたちについてみなさんと話し合ってみたいと思います。
連絡先はメールabekaheki@gmail.com
またはお問合せtwitterまで。

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