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「時空を越えた希望の光」~『魔法少女まどか☆マギカ』11話、12話を観て~

 3月11日の震災の影響で、11話、12話(最終話)の放映が1ヶ月以上延期されていた『魔法少女まどか☆マギカ』。そのテレビ放送が、一昨日の深夜、連続放送という形で行われた。ゼロ年代のサブカルチャーの様々な要素を盛り込みながら、圧倒的な展開で観る者を引きつけた10話から、一体どのような結末を迎えるのか。また、少し前の文章で書いた通り、果たしてこの作品が、今後の様々な文化や表現に影響を与え、人々の心に刻み込まれるものになるのかを知るために視聴した結末について書いてみたい。(※ネタバレあり)魔法少女まどか☆マギカ (1) 画像

もし、これまで自分の全てを賭け、闘い続けてきたことが、実は全くの無駄であり、むしろ敵対者の利益にしかならないと知らされたらどうすればよいのだろう。前回の10話では、同じ時間を何度も繰り返し、主人公を助けるために闘い続けていた少女。そんな彼女が11話の冒頭で知らされたことは、自分が闘い続ければ続けるほど、より事態を悪化させ、負の連鎖を生み出すという事実だった。

一方の主人公は、これまで知らなかった魔法少女という存在が辿ってきた運命の数々、自分を守ってくれていた少女がなぜ、そこまでして自分を助けようとするのかという理由を次々と知らされていく。「祈りから始まり絶望で終わる」全ての魔法少女たちが繰り返してきた運命。幾つもの時間を重ねてきた少女が語った自分に対する特別な想い。彼女はそんな全ての魔法少女が背負わされた哀しみを、これまにで自分のが失った仲間や、失いつつある少女の気持ちを思いながら理解していく。スーパーセル画像

そんな中で、彼女たちの住む街に訪れる「一度、具現化しただけでも何千人が犠牲になる」という災厄。「魔女」という形で現れたその災厄は、人の力ではどうすることもできない圧倒的な力で主人公を含む、ささやかな日常を送る人々を飲み込もうとしていく。まるで今起きているこの国の現実をデフォルメしたかのような世界では、「希望を持つ限り救われない」という閉塞的なルールが全ての魔法少女たちを支配している。

何度もくじけそうになりながら、必死でそのルールに抗ってきた少女が、絶望の淵に立たされた時、それまで自分に自信が持てず、漠然としか家族や友人に囲まれた日常の価値に気づかなかった主人公が、自分が大切に思い、守りたいと願うもののために決断する。その決断はたぶん、95年にアニメーションとしては驚異的なヒットとなった『新世紀エヴァンゲリオン』の自己承認の物語や、その流れを汲む「セカイ系」、「空気系」の作品群。さらにそこから先に続く決断主義(バトルロワイアル)的なものとは異なる感覚の上に成り立っている。チュニジア・ジャスミン革命画像

周囲からの自己承認でも、社会とのつながりの希薄なセカイでも、まったりとした仲間内でも、殺伐とした生き残りゲームでもない感覚。それはたぶん、多くの複雑な問題を同時に抱えながら、それを自分の頭で考え、迷いながらも単に自分のためではなく、一人でも多くの人の心にまで届く力のある答えを導き出していくような態度なのだと思う。ある種、献身的な思いから生まれる決断の先にあるものは、もしかすると、場所や時間を越えたこれまでにはないつながりを人々にもたらしていくのかもしれない。

震災という大きな災厄が降りかかった日本という国で、今、幾つもの善意が結びつき、新たなネットワークを築こうとしている。それは国や組織や時間といったこれまで私たちを縛ってきた存在の枠組みを越え、個人と個人が感情という緩やかなつながりによって結びつき、確かな変化を社会にもたらしていくのかもしれない。チュニジアを震源として始まった中東の「草の根」的な革命の動きも、不条理な現実に死をもって抗議した一人の青年の死が、多くの民衆の心を動かし、人々の前に立ちはだかっていた理不尽な「ルール」を壊すことを可能にしたのだから。『魔法少女まどか☆マギカ』画像2

もしかすると『魔法少女まどか☆マギカ』という作品は、あまりにも現代日本的なリアリティーを反映させた「萌」的な外見をしながら、その実、人々の心に、「理不尽な制度やシステムがあるのならば、それを変え、壊していくことを人々が望めば叶うかもしれない」という気づきを生じさせた作品として後世まで語り継がれるものになるのかもしれない。時空を越えた様々な情報が飛び交い、それを自らの力で判断していく「魔法」の力を持つネットユーザーたちにこれほど支持されている作品なのだから。

4月25日からニコニコ動画で一週間無料後公開される『魔法少女まどか☆マギカ』第11話「最後に残った道しるべ」へのリンク(12話へのリンクも有り)
ウィキペディア 魔法少女まどか☆マギカ
『魔法少女まどか☆マギカ』公式サイト
ウィキペディア 新世紀エヴァンゲリオン
ウィキペディア セカイ系
ウィキペディア 空気系
ウィキペディア ジャスミン革命(チュニジア)
ウィキペディア 萌アニメ
アマゾン 『魔法少女まどか☆マギカ 』1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
アマゾン 『魔法少女まどか☆マギカ』 (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

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阿部和璧

Author:阿部和璧
現代アートを中心とした美術関係について書くライターをやっています。2011年8月より東京に拠点を移し、現在は都内の地域アートプロジェクトのリサーチの仕事などをさせていただいてます。世の中にある凄いもの、面白いものに興味があり、そんなものたちについてみなさんと話し合ってみたいと思います。
連絡先はメールabekaheki@gmail.com
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