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超個人的「ワンダーフェスティバル(ワンフェス、WF)」2010夏、体験レポートその1「開戦前場内」

 現在も京都国際マンガミュージアムで開催中の『フィギュアの系譜』展を観て以来、様々な偶然が重なって、「ではワンダーフェスティバルをコンプリートしたレポートを書いてみよう」ということになり、慌てて読み出したフィギュア、海洋堂関連の資料。何とか読み終わり、向かったワンダーフェスティバル会場でのディープな「オタク」体験。きっと本物の「おたく」の方からすればぬるいヤツと思われるでしょうが、自分のフィールド外の世界にたまにどっぷり浸かってみるのも純粋に面白いと思った。しかし正直、滲み出ていたアウェー感はどうしようもなかった気がする。とはいってもちゃんと自分用のお土産としてフィギュア買ったんですけどね…。ワンフェス2

最初の動機は、ネット上で「ワンフェス」について検索しても、充実した「フォトレポート」はあっても、その詳細を記録した文章が存在しないと感じたのが始まりだった。そんな中で、ならば「文化ブログ」でそれを書き、日本だけでなく、世界の人々に、「ワンフェス」がどういうものかを紹介し尽くしてやろうという野望を胸に向かった会場。しかし実際、いざその状況に身を置いてみると、落ち着いて人の話を聞いたり、細かくメモを取りながら状況を理解していくということがほぼ不可能だということを思い知らされた。

まず何より大前提として会場が広すぎるのだ。規定除外枠で朝8時からイベント終了時の5時過ぎまで会場を彷徨い歩いたのだけれど、それでやっと会場全体を見終えたというとてつもない広さ。そしてディーラーという出店者の方々も販売や撮影許可への対応で精一杯で、落ち着いて来場者と話すような余裕はほぼ皆無といってよかった。予想とは大きく異なった展開に、なぜ「フォトレポート」にならざるおえないかを十分理解しながらも、しかし、少なくともその1日の流れを個人的な体験を元に記録してやろうとあがいた文章を、興味のある方はお読みください。ワンフェス10

2010年7月25日、朝5時5分、東京駅の改札内を走り抜ける一団が、まるでお約束のようにいて、逆に安心してしまった。それほど多い数ではないが、彼らが目指すのは中央の乗り場から最も離れた京葉線のプラットホーム。その勢いにつられ足早について行ったが、結局、5時11分発の電車に乗り込むためには猛烈なダッシュが必要だった。息を切らせて乗り込んだ車内は無理すれば座れなくはない程度の乗車率。客層はもちろん若い男性がほとんどだが、見るからに「おたく」な人は2割程度であとはどこにでもいそうな普通の大学生風の若者たち。手に携帯ゲーム機PSPを持ち、何かをプレーしている人の数が通常より多い気がした。

約30分ほどの電車に揺られ、着いた海浜幕張駅。そこでも大した混雑はなく、足早に会場に向かう人がほとんどだった。ここで一旦その流れから離れ、「早朝からやっているコンビニは一軒のみ」というローソンに立ち寄り十分な飲食物を購入。この行動は昨年夏にネット上で研究したコミックマーケット(コミケ)による情報を自分なりにアレンジしたもので、食べ物や飲み物の補給がおろそかになりがちな会場では大変役立った。規定外入場が可能なため、急ぐ必要はなかったが、特にやることもないので、周辺のベンチに座り朝食を済ますと、ゆったりした足取りで会場へ向かった。ワンフェス3

駅から会場前待機列に着くまで割と時間がかかったのと、駅周辺でゆっくりし過ぎたこともあって、最後尾に並んだのは7時15分。その時点で待機列は約500メートル、一列8人で1メートルに1列半が入ると考えると、約6000人が開場2時間半前に並んでいることになる。元々大きなイベントにあまり興味がない人間にとっては、コミケの待機列の凄さがだけが画像として焼きついているだけに、結構当たり前のように思っていたが、今思い返してみるとやはり凄いものだと思う。男女の比率は9対1か8対2ぐらいで、茶髪ギャル系の女子などもいてバリエーションに富んでいた。

周辺の人と仲良くなれたら、ワンフェスについて色々教えてもらおうと思ったのだが、そういうことは全く起きず、仲間同士でトレーデングカード(トレカ)で遊び始めた人々を眺めていると時間は過ぎ、規定外入場が可能な時間が近づいたので列から離れた。正面の受付で事務手続きを終え、そわそわしながら入場可能な8時を待っていると、目の前を折り目正しい服装の人が行き交っている。何かと思いそんな人々の後について行くと、『「エホバのもとにとどまりまさい!」地域大会』というのがすぐ横のイベントホールで開催されるようで、そこにも小さな列ができていた。ワンフェス5

運営スタッフの方に2度ほど、「もう少し待ってください」とたしなめられられながら、規定外入場者としては一番乗りした会場。テレビやネット上で見たそのままの会場俯瞰位置から1階フロアーに降りて行ったが、その後一体何をすればよいのかが分からない。とりあえず設営中の企業ブースに展示されている萌系、ロボット系アニメのフィギュアを見始めてはみたものの、準備に忙しい人々の中、冷やかすようにショーケースを覘いていくのはどこか気恥ずかしい。それに後からもう一度時間をかけて見直して思ったことだが、企業が作った製品としてのフィギュアは、あまりにアニメや原作に忠実過ぎて面白みに欠ける気がした。確かに精巧に3次元化されてはいるのだけれど、あまりにも原作のキャラクターそのままで、それを確認するだけで十分なような気がした。(アニメキャラに対する愛着がほとんどないもので…)

そんなこんなで企業ブースエリアを後にして、右も左も分からずに歩いていると、いきなり後ろから声を掛けられた。知り合いなどいるはずもない状況なだけに、驚きながら振り返ると、そこには前回紹介した「フィギュアの系譜」展で作品解説をしてくださった海洋堂ミュージアムの方が立っていらした。その方は、「今回はフィギュアミュージアムブースと四万十川カッパ造形大賞の応援」ということ来場されていたのだが、その時点ですでに完全なアウェー感を味わっていただけに、これは大変有難がった。すがるような思いでその方の話を聞き始め、「ワンフェス初体験の初心者が一体どのようにしてワンフェスを楽しめるのか」を尋ねた。ワンフェス7

するとその方は、「ワンフェスは当日版権の作品販売があって、人気ディーラーさんのフィギュアは販売数も決まってるんで、コレクターとか転売屋とかがそういうのを入手するために徹夜したりするんです。もともとはガレージキットといった個人レベルのスピリッツから始まったものだから、そのスピリッツを感じてもらえば」と遠慮深げに話された。その内、その方が手伝われている「四万十川カッパ造形大賞」の話になり、すぐ横に展示してあった作品を見ていくと、夏休みの工作的作品から、制作期間3ヶ月以上という精巧な作品まで、そのクオリティーは本当に様々。同じカッパをテーマとした作品でも、色々なアイデアが盛り込まれており、その多様性が本当に面白かった。

「モデラー(模型制作者)は作った後、人に見せるということに意外と無頓着だったりするので、枠装とか見せ方とかもっと工夫すればさらに良くなるのに」とその方はアートや文章の世界にも共通する鋭い意見を述べられていた。個人的には完成度の高いものより、「素朴な作品」が結果的に生み出す「面白さ」に目が行ってしまい、まるで作者の奥さんの裸をそのまま3次元化したかのような作品「かっぱのかみさん」には、深い愛情やら、隠された制作意図があるような気がして、この文章を書いている今も深く考えさせる作品だった。その他にも数多くの注目作があり、長い時間その場にいたのだが、忙しい設営時間を割いて、話を聞かせてくださったその方の助力がとても有難かった。霊夢

「免疫がついてくると大丈夫ですよ」と言って送り出してくださったその方の声を背に、次は個人ディーラーが集うブースへと向かった。予想ではもっと大掛かりな設営や準備をしている所が多いのかと思いきや、意外に小さなテーブルに作品を展示するようなディーラーが多かった。開場前1時間を切っているというのに、ブース内で塗装を続けている方がいたりと、案外のんびりとした雰囲気が個人的には良いように思えた。フィギュアの種類としては事前情報通り、圧倒的に「美少女系」又は「萌え系」と言われるような作品が多かった。中でも東方プロジェクトのキャラクターたちのは、「今一番流行っている」らしく、8頭身サイズのリアルなものから2頭身サイズの「ねんどろいど」タイプまで開場の至る所で見かけられた。ちなみに2番目に多かったにはヴォーカロイドキャラの初音ミクだったと思う。

そんな中、ウルトラ怪獣のフィギュアの展示準備をされていたディーラーの方と目が合い、話を聞くことができた。その方はガレージキットの創成期の気合だけで作品を作っていた頃から、この世界に興味があったという方で、20代後半にしか見えない外見だが、実は40歳とのこと。「コンパとかで造形が趣味と言ったりするとやっぱり引かれるんですよね。怪獣系は3次元をそのまま大きくしただけだけど、美少女フィギュアをやってる人は2次元を立体化してるんで、そっちの方がレベルは高いかも。最近は女性の原型師さんも多いんですよね」と最近のフィギュア業界の事情を話してくれた。ワンフェス・マンモス

やっとこの場に馴染んできて、さあ色んな人の話を聞きに行こうと思った途端、館内放送が「まもなく開場時間が近づいております。プレス関係者は事前に指定された待機場所へ集合してください」と告げ始めた。慣れない場所なので、慌てて指定場所の特設ステージ前へ行くと、そこにはすでに80名ほどのプレス関係者が待機していた。本格的なカメラを手にしたり、いかにも関係者っぽい雰囲気を漂わせた人々は、こういう場所でよくあるように、お互いに同業者に対する無言のプレッシャーを与え合いながら居心地の悪い雰囲気を作り出していた。どうせ暇ならお互いに気持ちよく情報交換すればいいのにという思いから2人ほど話しかけてみたが、どちらもこちらが無所属の人間だと分かると蔑むようにして離れていった。

そんな悲しい出来事に心を痛めている暇もなく、外から直接つながった入場ゲートのシャッターが閉じられた。どうやら開始と同時にシャッターが開き、そこを猛者たちがダッシュで入場していく、噂の「シャッターダッシュ」が見れるらしい。そんな「コミケ」を研究した時に資料でしか読んことのない出来事が、実際この目で見れるとは。そんな思いに胸を高鳴らせ、小型のデジカメを構えていると、警備の人に「そこ勝手に待機場所からはみ出さないで」と怒られた。今日は朝から悲しい思いばかりするなぁと思いながら枠内に戻ろうとした瞬間、入場ゲートのシャッターが開き、朝の光が開場内に差し込みだした。
(その2につづく)

ウィキペディア ワンダーフェスティバル
ワンダーフェスティバル 公式サイト
ウィキペディア モデラー
ウィキペディア 東方Project
ウィキペディア ねんどろいど

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阿部和璧

Author:阿部和璧
現代アートを中心とした美術関係について書くライターをやっています。2011年8月より東京に拠点を移し、現在は都内の地域アートプロジェクトのリサーチの仕事などをさせていただいてます。世の中にある凄いもの、面白いものに興味があり、そんなものたちについてみなさんと話し合ってみたいと思います。
連絡先はメールabekaheki@gmail.com
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