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カオスラウンジの何が凄いのか~関西初上陸、『かおすら!』展を見て~

 4月、5月、ネット上のアート好きの間で話題となり続けたカオスラウンジ。その関西初上陸展となる『かおすら!』のオープニングが京都・五条の0000(オーフォー)ギャラリーで行われ、そこへ行ってきました。その感想を一言で言うと「あれだけ話題になった理由がよくわかりました」というもの。本当、ある意味脱帽してしまうぐらいに凄かったです。『かおすら!』

では一体何か凄かったかというと、黒瀬陽平さんや藤城嘘さんがUstで繰り返し言っていた「ごはんラウンジ」や「模造紙オフ」と言われる「ライブペインテング」。確かに2階の壁面に展示された個々の作品の中には良い作品もあるのだけれど、それらは部屋全体に無数に貼り付けられたアニメ雑誌の切り抜きと混じり合ってしまい、個別の作品というよりも混沌とした部屋の一部と化していて、まさに「混ぜるな危険」状態。作品には作者名もキャプションも付いてないので、よく見ないと一体どれが作品で、どれが落書きされた切り抜きか分からなくなる。かおすら1

また搬入や展示のために東京からやって来た黒瀬さんや梅ラボさんのあいさつが始まると、小さな展示場所は人か溢れかえり、さらなるカオスへ。Ustで見た「うしじまラウンジ」とはこんなものだったのかも、と思えるほどの人口密度で、それはそれで楽しかった。黒瀬さんや梅ラボさんは「どこにでも表現したい人がいて、そんな人が集まって創作できる場やきっかけを作り、どこでもカオスラウンジの発生状態にしていきますので、ぜひみんなも参加してください」とこの企画の更なる展開を約束した。

正直、まだその時は、そこに熱気は感じたけれど、カオスラウンジの何が凄いのか、またなぜ黒瀬さんや梅ラボさんが他の場所にまでカオスラウンジを広げていきたいのか理解できなかった。しかし、あいさつが終わり、人が適度に減った頃に始まり出したいわゆる「ライブペインテング」的なものを見ていると、じわじわとその凄さが分かりだした。壁の下段に張られていた白い紙に向かって5、6人が絵を書き出すと、そこでは個別に絵を書いているはずなのに、何か室内全体を包み込む不思議な幸福感が漂いだした。かおすら3

書いてる絵はほとんど何かのアニメキャラの二次創作なのだけれど、その描く人々の背中から伝わってくる無防備で、描くことに没頭している姿を見ていると、見ている方まで心の底から「ああいいなぁ」と思えてくる。そしてそんな人々が描くキャラから伝わってくるそこはかとない面白みやキャラ愛といった感情は、子供の頃の落書きのようにとても自由で楽しんでいるって感じられる。描いている人々の絵はクオリティーがかなり高いので、参加するのはばかられたが、思わず自分も参加してみたくなる。そんな気持ちの良い空間だった。

そこで感じたことを傍にいた黒瀬さんに伝え、では破滅ラウンジはどうだったのかと尋ねてみると、「破滅のギークはゼロ年代を引き受けていて、日本のテクノロジー環境のいい所、悪い所に最適化している。そこには悪意があって、また自傷的に自分を痛めつけてもいて、自分たちのリアリティーを反映している」と回答。さらに、ではなぜそのような人々を含めたカオスラウンジという動きがゼロ年代を終えたこの時期に登場したのかと聞いてみると、その点はまだ明確ではなかったのか「やっぱり時代の区切りがあって、露出するまで時間がかかった」と答えるにとどまった。かおすら2

折角なので部屋の隅に座って東方プロジェクトの博麗霊夢を描いていた梅ラボさんにも話しかけ、同じ質問をすると梅ラボさんは、器用に霊夢を描き続けながら「ピクシブ(pixiv)って便利じゃないですか。タグをたぐっていったり、情報も広げやすいし。そのアーキテクチャも大きいし、嘘くんのような人がみんなを繋げたのも大きい。個人的には嘘くんの癒され方ってハンパないし、そんな嘘くんが好きすぎるんでやってる部分が大きい」とカオスで活動を続ける理由まで話してくれた。

東京での展示を終え、まずは京都、そして大阪の『はめつら!』と関西に飛び火したカオスラウンジという火の手は、きっと全国のピクシブユーザーや、純粋にキャラを描くことが好きな人々の手によってより大きなムーブメントとなっていくだろう。そしてもしかするこの流れは、村上隆さんが言うように欧米文脈とは全く違った流れとして、世界のマンガ、アニメのキャラを愛する人々の手を通じ、世界的な流れになるのかもしれない。

0000(オーフォー)ギャラリー『かおすら!』紹介ページ
『はめつら!』開催中のコーポ北加賀屋ブログ
カオスラウンジ 2010ホームページ
ウィキペディア 黒瀬陽平
嘘 (lie_) on Twitter
梅ラボ (umelabo) on Twitter

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Author:阿部和璧
現代アートを中心とした美術関係について書くライターをやっています。2011年8月より東京に拠点を移し、現在は都内の地域アートプロジェクトのリサーチの仕事などをさせていただいてます。世の中にある凄いもの、面白いものに興味があり、そんなものたちについてみなさんと話し合ってみたいと思います。
連絡先はメールabekaheki@gmail.com
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