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報告2 『大徳寺曝涼展の牧谿(もっけい)がいかに凄かったか』

 先日、凄いニュースで紹介した『開催迫る!大徳寺曝涼展』。ウェブ上に今年の開催要項がなかったためか、多くの人がこのブログにアクセスし、情報を得ていかれたよう。自分の書いた情報が誰かの立つなんて、やはり嬉しいもの。ところで、心配した雨にも降られず、ついに!行ってきました大徳寺曝涼展。その全体像は別の機会に書くとして、この記事では、そこで見た牧谿(もっけい)がいかに凄かったかを紹介したい。
鶴今回の曝涼展で見ることができた牧谿の水墨画は5点。方丈第一室の奥にあった『龍虎図』(龍と虎で一幅づつ)と第二室正面にに掛けてあった『観音猿鶴三幅対』。最初、『龍虎図』を見た時は、龍の迫力は感じたけれど、虎は実物との違いを感じ、それほど良いものとは思えなかった。牧谿の名は聞いてても、作品を見たことがなかったので、特に落胆もしなかった。

そして入った第二室。まずは明兆作・十六羅漢図を見る。羅漢たちの個性が生き生きと描かれていて、思わず上手いと声が出る。十六羅漢の半分を見終わり、部屋の正面に視線を移した時、そこに牧谿の鶴がいた。今にも動き出しそうなその鶴は、ちょっと言葉で表現できないほど凄かった。本物かと見まがうほどの描写の上手さはもちろんだが、それ以上に驚いたのは次の動きを感じさせる表現力。そこには鶴という生き物の生命の源が写し取られていた。
猿
それは、観音図を挟んだ右側にある猿図にも言えること。決して似ているとは言いがたい猿の親子の姿は、2匹が佇む木の枝と同様、静止した水墨画のはずなのに、見る者に動きを感じさせる。それがどういう手法かは分からないが、鶴と猿は静止画というよりも、実際の生き物が何かの偶然で止まって見えているような不思議な印象を残す。そこには似ているかいないかというものを越えた、より本質的な姿が捉えられている。
観音
中央の観音図はさらにそれを納得させる。無駄な力を感じさせず、ゆったりと佇む観音。柔和でありながら、何かの変化を予感させる表情にはかすかな揺れがある。大らかな広がりと幅を持つその姿は観音というに相応しい。どこかモネの睡蓮を思わせる湧き上がるもやのようなものも感じられる。

係りの人の話では、観音の両脇に鶴と猿が描かれたのは神仙思想の影響ではとのこと。しかしこの三幅、単体として見ても凄いが、全体を一つと見ても素晴らしい。特に鶴と猿、竹と枝の微妙な配置と構成は細部にまで神経が行き届き、大胆さと繊細さを兼ね備えた牧谿という人物の人柄を感じることができる。

その凄さを理解した後、もう一度見直した虎図。表面的な描写以上に、内面から湧き上がる力を感じることができた。絵画作品として第1号の国宝指定を受けた『観音猿鶴三幅対』。中国では失われてしまった牧谿の作品が、長谷川等伯をはじめとする多くの絵師に影響を与え、現在でも鑑賞できる。そんな凄さを間近に感じられたことが、この曝涼展の一番の収穫だった。

ウィキペディア 牧谿

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Tag : 絵画 京都 お寺 報告 傑作

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阿部和璧

Author:阿部和璧
現代アートを中心とした美術関係について書くライターをやっています。2011年8月より東京に拠点を移し、現在は都内の地域アートプロジェクトのリサーチの仕事などをさせていただいてます。世の中にある凄いもの、面白いものに興味があり、そんなものたちについてみなさんと話し合ってみたいと思います。
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