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凄い絵画8 藤田嗣治『サイパン島同胞臣節を完うす』

 大画面一杯に描かれた追い詰められ、自ら命を絶ちゆく人々。65年前、サイパン島で起きた現実を、まるでそこに居合わせたかのような臨場感をもって描き尽くした傑作。
サイパン玉砕
戦後はこの絵をはじめとする戦争画による「戦争責任」によって日本を去り、フランスに帰化した藤田嗣治。国際的に高く評価されてきた画家でありながら、晩年まで「私が日本を捨てたのではない。日本に捨てられたのだ」と語っていたのだという。

一説では画壇の責任を背負い込まされ、日本を出て行く以外に選択肢がなかったという。しかしこの絵に向かい合えば、たとえ作者は語らずとも、絵に込められた作品の意図は理解できる。女、子供や怪我人といった追い詰められた人々は、すでに疲れ果て希望も失っている。画面全体はあくまで暗く、死が迫った人々を象徴するかのよう。

そしてこれと同じ光景が沖縄でも、原爆や空襲を受けた日本各地の都市でも見られることなる。この作品を見て戦意が高揚する人間がいたとしたら、それは一体どんな人だろう。確かに藤田の親族には陸軍関係者が多く、またこの作品には「臣節を完うす」というタイトルが付けられている。しかし、戦争協力が義務づけられていた当時、一介の画家に何ができただろう。

以前、多くの画家が軍に協力し描いた戦争画の一部を見たことがある。まるで生気が抜けたような絵ばかりが並んていたそれらの作品と比べると、やはりこの作品には、激しく人の心を打つ何かが感じられる。そしてもし、それを言葉で表すとしたら「死にゆく人々の哀しみ」という一言になるのだろう。

ウィキペディア 藤田嗣治
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テーマ : 絵画 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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Tag : 芸術 戦争 悲劇

コメント

画家・藤田嗣治について調べていたら辿り着きました。

今日たまたま故・藤田嗣治画伯について調べておりましたところ、こちらの記事を見つけ、拝読させていただきました。
そこで感想といいますか、個人的に気になりましたのでお訊ねさせてください。
今回の記事のニュアンスから、阿部和璧さんが画伯の作品『サイパン島同胞臣節を完うす』を「戦争画」ではなく「反戦画」として解釈なさっておられるように感じられたのですが、いかがでしょうか。

返信が遅くなりました。『サイパン島同胞臣節を完うす』の解釈について。

返信が遅くなりました。阿部です。

実際に作品を目の前にした感想として、当時の時代状況に置かれた
一人の画家が、「戦争画」を描いたことは私も理解しております。

しかし、長年のフランスでの生活を送ってきた藤田嗣治が、当時の
日本の状況にのまれながらも、単純に体制が描かせたいと思う
「戦争画」を描いたのかというと、ちょっと違う気がしました。

あくまで個人的な感覚によるものですが、『サイパン島同胞臣節を完
うす』という作品の前に立った時に思ったことは、一人の作家が、幾
つもの命が散り逝く状況を描く中で表現しかかったことは、人の命の
儚さや無常観のようなものなのかもしれないと思いました。

そいうい意味においては、「戦争画」という範疇にとらわれることの
ない、観る人によっては「反戦画」とも取れる、時代や歴史背景の枠
に縛られない感動を与える作品ではないかと思います。

No title

ご返答いただきありがとうございました。阿部さんに問うばかりではフェアでないと思いますので、私個人の意見を少し書かせていただきます。
私は藤田画伯が後年、手記で述べた「国のために戦う一兵卒と同じ心境で書いた」という言葉にすべてが集約されていると考えます。それは阿部さんのお感じになった「儚さ」や「無常観」といった感傷的な意識ではなく、逆に戦意高揚というプロパガンダ的な意図でもなく、そういったある意味“余計なこと”を頭に巡らせる余裕のない極限状態、まさに敵前に立ち無心に戦っている心境で描くことを己に課していたのではないか、ということです。ですから極端な話、少なくとも画伯は、戦争画に限っては他者に何かを訴えるために描いていたのではなかったとすら考えています。だからこそ戦中戦後のイデオロギーに画伯自身は翻弄されながらも、作品そのものはそういったものとは無縁のところで理屈を抜きにした感動を生み、高い評価を受けることとなったのではないでしょうか。ですから私としては『サイパン島同胞臣節を完うす』に限らず画伯の戦争画の評価にイデオロギーの匂いがすると、やはり違和感を覚えてしまうのです。
以上です。阿部さんの今後ますますのご活躍をお祈りいたします。

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プロフィール

Author:阿部和璧
現代アートを中心とした美術関係について書くライターをやっています。2011年8月より東京に拠点を移し、現在は都内の地域アートプロジェクトのリサーチの仕事などをさせていただいてます。世の中にある凄いもの、面白いものに興味があり、そんなものたちについてみなさんと話し合ってみたいと思います。
連絡先はメールabekaheki@gmail.com
またはお問合せtwitterまで。

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