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凄い映画9 『恋におちたシェイクスピア』

 恋に落ちた時の胸の高鳴りや痛みを『ロミオとジュリエット』の製作、上演時のシェイクスピアの心情を通して描いた傑作。脚本、俳優、製作、衣装といった全てが、これ以上不可能というほどの力を結集し作り上げた豊穣な映画世界。
恋におちたシェイクスピア『ロミオとジュリエット』で語られる愛の言葉の数々は、シェイクスピアの実体験に基づいていた。そんな本当のような設定を軸にしたこの映画は、シェイクスピアが体験する恋の始まりから終わりまでを『ロミオとジュリエット』のセリフや展開を通して描いていく。

まだ売れない役者兼劇作家にすぎなかったシェイクスピアが、一つの恋を通して知りゆく愛の美しさと哀しみ。高い壁に隔てられた恋人と結ばる絶頂感と、現実という形で押し寄せる越えられない壁。幾つもの障害の上で成り立った恋の物語を二人の主人公が熱演する。

さらに脇を固める個性的な俳優陣。劇中劇を生かした巧みな展開。16世紀末イギリスの華やかさと混沌を、衣装や美術で再現した映像美。これらをシリアス、コメディー、ラブロマンスといった要素を盛り込んで描き出す面白さは完璧。

娯楽としてだけでなく、堅苦しく感じがちなシェイクスピアという劇作家の、人間的な部分にアプローチできるこの作品。歴史に名を残した人々も、実は我々と同じように人を愛したり、不安や苦悩やを抱え生きていたのだ。そんな歴史を越えた真実にこの映画は気づかせてくれる。

ウィキペディア 恋におちたシェイクスピア
アマゾン 『恋に落ちたシェイクスピア』 コレクターズ・エディション [DVD]
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テーマ : 映画紹介 - ジャンル : 映画

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Tag : 洋画 ラブストーリー 傑作 シェイクスピア 歴史

凄い映画8 『バベル』

 平凡な日常もそのベールを脱げば、理不尽な暴力性や性衝動が潜んでいる。阪神大震災や9・11以降の社会の現実を圧倒的なリアリティーで描き出した傑作。
バベルまるでドキュメンタリーのような臨場感溢れる映像が映し出すのは、性と暴力が空気のように蔓延した世界。そこでは突然襲ってきた暴力によって、人は理不尽なまでに傷つけられ、時に命をも奪われる。

しかしそんな危機も、当事者でない人間にとってはどこか遠く、誰もが自分の視点でしか世界を見ることができない。人や物、さらに情報が行き交うようになった現代では、わずかな行為が誰かの人生を狂わせてしまう。それなのに、多くの人は取り返しがつかなくなってからでしかそのことに気づけない。

日本、アメリカ、メキシコ、モロッコと国や言語が入り乱れながら進行してゆくこの映画は、そんな世界に存在する分かり合えない人々の断絶が描かれている。そしてまた、その断絶に痛みを感じながらも、愛情というささやかなものに救いを見出そうとする人々の姿が描かれている。

9・11が象徴するように、平凡な日常は突然他者が引き起こす暴力によって、荒れ果てた荒野一転する。そんな時代を生きる我々にできることは、せめて日常がその姿を変えるまで、自分が大切にしている存在に愛を注ぐことだけだ。

ウィキペディア 『バベル』
アマゾン 『バベル』 スタンダードエディション [DVD]

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凄い映画9 『恋におちたシェイクスピア』

テーマ : 映画感想 - ジャンル : 映画

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Tag : 傑作 洋画 リアル

凄い絵画9 マグリット『光の帝国』

 絵画の中には、いくら写真を見せられても、説明されても、実物の前に立ってみないとその凄さがわからないものがある。一見奇をてらっただけにも見えるマグリットのこの作品。しかし、実物を前にすると、そこには魔術的な詩情の世界が現れる。
 マグリッド
空は明るい昼なのに、建物の周辺は夜で灯りが燈っている。説明すればこんな単純なものになるこの絵画。シュールレアリズムを代表する画家・マグリットが生涯に20作以上も書いたといわれる同名絵画の中で、最も知られたこの作品。

そこにあるのは写真や説明、ジャンル分けといったものを一切受け付けない詩情の世界。作品の前に立つと、詩情としか言いようのない不思議な感覚を味わうことになる。そしてその感覚に慣れると、なぜこの作品が、このような詩情を生み出せるのかと疑問を抱く。

美しい絵画が作り出す詩情の世界ならば、フェルメールやモネやクリムトの作品にも見出すことができる。しかし特別美しい訳でもなければ、昼と夜が一つになった以外、極めて平凡に見えるこの作品の一体何がこのような感覚を作り出すのだろう。

それはきっと何かの技法や作者独自の精神のようなものが生み出す作用なのだろう。しかしマグリットが死んだ今となっては誰にも正確なことはわからない。それはまるで今は無き文明の遺物のように、そこに秘密を抱えながらただひっそりとたたずんでいる。

ウィキペディア マグリット

テーマ : 絵画 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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Tag : 洋画 詩情 魔術

凄い映画6 アクション映画の最高峰『フェイス/オフ』

 まだアクション映画にCGが多用される以前の、最後のアクション超大作。冒頭からラストまで、これ以上不可能というほどのアクションの連続と文句なしのストーリーで息もつかせぬ傑作映画。
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『ミッション:インポッシブル2』や『レッドクリフ』で知られるジョン・ウーがハリウッドに進出し、3作目に撮ったのがこの映画。そしてこの映画の成功によって、アクション映画における最も偉大な監督という評価を獲得した。

冒頭の飛行場シーンから信じられないほど激しい戦シーンを繰り広げるが、それもまた物語の本筋。逮捕されたテロリストは植物状態となり、彼が計画していたテロを未然に防ぐために、主人公は、前代未聞の囮捜査に駆り出される。

顔の移植や全身を整形し、テロリスト本人になりすまして捜査を始める主人公。しかし病室で意識を取り戻したテロリストが今度は主人公になりすまし、身分の入れ替わった二人はまるでそれが本来の自分であるかのような状況に立たされる。

脱出不可能とされる監獄へ落ちた主人公は、果たして元の自分に戻れるのか。立場を代え、たとえ悪であっても、守るべき人や家族がいることに気づいた主人公の苦悩。そんな愛憎入り乱れた複雑な心境をニコラス・ケイジとジョン・トラボルタが演じきる。

派手なアクションの連続に度肝を抜かれるこの映画は、しかし決して単なるアクション映画ではない。善も悪もその裏には愛すべき者たちがいて、その死を悲しむものたちがいる。そんなあたりまえであっても、つい忘れがち事実をこの映画は教えてくれる。

ウィキペディア フェイス/オフ
ウィキペディア ジョン・ウー
アマゾン 『フェイス/オフ』 特別版 [DVD]

テーマ : 映画レビュー - ジャンル : 映画

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Tag : 傑作 アクション 洋画

凄い絵画7 ジャック=ルイ・ダヴィッド『シャルル=ルイ・トリュデーヌ夫人』

 華やかで装飾の多いロココ全盛の時代にあって、シンプルで力強い新古典主義を生み出したダヴィッドの最も優れた肖像画の一つ。素描の正確さと巧みな色彩感覚が一体化した秀作。
ジャック=ルイ・ダヴィッド
フェルメールやクリムトのように生まれながらの素描の才能を持っていたダヴィッドは、繊細で華麗な作品作りを得意とした。そんな彼の作品の中でも、真っ直ぐにこちらを見つめるモデルの視線に、思わず吸い寄せられるような不思議なリアルさを持った作品。

完全に色を塗り終えてない部分もあることから、未完成とされているが、そんなことは全く気にならない。血の気の通った頬の色や、何かを問い掛けるようにして動きを止めてしまったモデルを見ていると、今から200年以上昔の人物とはとても思えない。

画家として優れた才能を持っていたダヴィッドは、その才能ゆえにフランス革命以降の社会をきわめて政治的に生きることになった。歴史家によっては変節者とまで非難する彼の政治的な一面も、この作品の前では沈黙せざるおえない。

ルーブル美術館 ダヴィッド『シャルル=ルイ・トリュデーヌ夫人』解説(日本語)
ウィキペディア ジャック=ルイ・ダヴィッド 

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Tag : 洋画 秀作 肖像画 フランス

プロフィール

阿部和璧

Author:阿部和璧
現代アートを中心とした美術関係について書くライターをやっています。2011年8月より東京に拠点を移し、現在は都内の地域アートプロジェクトのリサーチの仕事などをさせていただいてます。世の中にある凄いもの、面白いものに興味があり、そんなものたちについてみなさんと話し合ってみたいと思います。
連絡先はメールabekaheki@gmail.com
またはお問合せtwitterまで。

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